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病気と症状
症状とは
病気と症状
病気とは、からだのどこかに異常が起こった場合をいいますが、その異常を自分で感じたり、他人に認められたりする状態を症状といいます。
自覚症状と他覚症状
痛いとか、かゆいというように、本人が異常を感じて、それを訴える場合を、自覚症状といい、第三者から変だと認められる場合を、他覚症状といいます。他覚症状は、自分で気づくこともありますが、正確にいえば、医師が発見する場合ということになります。
- たとえば、熱があるとか、熱く感じるというのは自覚症状です。しかし、体温計で体温をはかり、その上昇を見いだした場合に、体温として記録して、医師が熱がある(37℃以上)と判定する所見をくだすと、他覚症状となります。
全身症状と局所症状
異常を感じたり、見つけたりする場合に、それが全身的なものの場合と、ある場所にかぎられたものの場合があります。前者を、全身症状(または一般症状)、後者を、局所症状と呼んでいます。
- たとえば、発熱、疲れやすい、不眠、汗の異常、尿量の異常などは全身症状で、肩がはる、腹が痛い、手が動かないなどは、局所症状です。
- 脈拍増加、呼吸の異常、顔や皮膚の変色などは、局所的なあらわれ方にとらわれやすいのですが全身症状であり、反対に、動悸、息切れ、せき、たんなどは、全身的な感じがしますが局所症状です。
症状の知識はなぜ必要か
病状の持つ意味を知る
いろいろな症状は、からだの異常、つまり病気を知らせるあらわれです。いいかえれば、健康を守るための注意信号ともいえます。したがって、ある症状が起これば、まずどのような異常のあらわれであるかを反省して、自分の健康に目を向ける必要があります。ただし、このときに、症状の知識を持って、病気を考えることもいいですが、まず、症状に応じて、素直にからだを休めてからのことです。
- たとえば、どこかが痛むときは、その部分を動かさないようにします。熱が出てからだがだるければ、安静にして寝る。吐いたり下痢があれば、食事を取らずに休養するなどのことが必要です。
病気を早く発見する
一般にどんな病気でも、早期に発見し、的確な治療がなされれば、治癒しやすいことは周知の通りです。
- たとえば、がんや心臓などの重大な病気でも、げっぷとか胸やけのうちに胃がんを発見するとか、坂道を登ると動悸がするというような段階で心臓弁膜症を発見するというのであれば、手術などによって完全治癒も可能になります。
- それが、重症におちいってから治療を求めるとか、相当程度進行してから治療するということはもちろん、生命の危険や、完全治癒が望みえない状態に陥ることにもなりかねないわけです。
誤った処置を防ぐ
また、虫垂炎は、初期に発見されて手術を受けたとすれば、1週間程度で完全に治癒しますが、食あたり程度と考えて、しろうと療法としての浣腸などを行うと急性腹膜炎を起こして、著しく治癒を遅らせることになります。虫垂炎の始めにあらわれる症状は腹痛ですが腹痛についての正しい知識があれば、早期に専門医の診察を受け、しろうと療法などは行わないはずです。
他覚症状も分かる
目に見える部位の病変では、病変を見いだすことは容易です。しかし、症状の知識がなければ、見えていても病気を見過ごしてしまうことがあります。
- たとえば、小児でくちびるや鼻と口の間の溝が紫色に変わり(チアノーゼ)、小鼻をぴくぴく動かして呼吸する(鼻翼呼吸)状態を見つければ、呼吸困難があるとわかり、肺炎の疑いを持って医師の診断を求めることができますが、その知識がなければ、早期の手当てができないことも起こります。
- また、目に見えない深部の病変では、まず自覚症状に注意し、それから病変を明らかにしようとするのが順序ですが、自覚症状を伴わない病変では、この方法も困難です。しかし、この場合でも、外にあらわれてくる他覚症状によって、病変を疑い知ることができるはずです。たとえば、黄だんの場合、全く自覚症状がなく、他人に指摘されて気づくことがよくあります。
- 以上のように、他覚症状をとらえるということは、正確には医師によらなければなりません。しかし、症状に対する一応の知識を持っていればそれに気づくということが、かなりの程度可能になるでしょう。
医師へのかかり方が分かる
症状によって、からだのどこかに、どんな病気があるかを知ることができる場合も少なくありません。したがって、医師を訪ねるとき、何科の医師に行けばよいかも、見当がつくわけです。