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早生まれの子



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 いわゆる“早生まれの子”がいます。4、5月生まれの子どもと比べて、心身ともに遅れが目立つのがふつうです。あるいはなにかの事情で、幼稚園にも保育園にもいかなたった子どもがいます。1年ないし2年間の園生活をした子どもに比べると、集団生活のしかたなどで、いくらかの見劣りを感じますが、これは当然のことです。

● 集団生活での遅れは1学期だけ


 ところが、早生まれの子どもや園生活をしていない子どもの親は、入学の日が近づくにつれて、ほかのことのハンデキャップを必要以上に意識し、「みんなについていけるだろうか」「みんなの中に入っていけるだろうか」といろいろ心配します。

 たしかに入学当初は、園での集団生活の経験をしたものと、そうでない子どもの違いは見られます。つまり、新しい集団への溶け込み方は、園生活の経験者のほうがスムースです。

 しかし、10日もするともう、その差異は表面的には見られなくなってしまいます、案ずるほどのものではありません。ただ、グループで一つの行動をするとか、みんなで話し合うとかいう点になると、集団生活の経験者とそうでないものの差異は、しばらくのこっていくようです。

 しかしこれとても、2〜3カ月もしないうちに、ほとんど地ならしができています。あわてたり、あせったりする必要はまったくありません。

● 早生まれの子の遅れは1年生後半まで

 早生まれの子どもの問題についても、おなじことが言えます。たしかにこの時期の段階では、早生まれの子とそうでない子の力の差は大きいようです。
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 この年齢段階での5か月の開きは、10歳前後の1歳の開き、20歳前後の2〜3歳の開きに比肩するほどのものです。したがって心配になるのは当然のことと思います。

 生活年齢の開きによる力の差をなくするための、速効指導はありません。まわりがどれだけあせってもどうにもなりません。しかし、この力の開きは永久不変のものではなく、だんだんと接近し、やがては生活年齢による力の開きはなくなり、知能(精神年齢)による違いが出てくるようになります。

 早生まれの子もそうでない子も、同時に迎え入れる小学校の教師は、そのことを百も承知しています。したがって入学当初からしばらくは、早生まれの子どもが、無理なく集団生活や学習活動に取り組むことができるように配慮します。

 そしてだんだんとその力の開きを接近させ、1年生の後半には、ほとんど両者の開きを感じさせないように指導の効果をあげていくはずです。

 いずれにしても、親の心配やあせりは、子どもに敏感に影響してきます。そして、親の配慮や願いとは逆に、いつかその子は、劣等感を持つようにならないとも限りません。よくよくの注意が大切です。

 通学路と交通安全の指導

 入学前に文字や数の指導をしたり、入学してからの成績を気にしたりする親がいます。私は「そんな暇があったら通学路を歩く練習でもさせなさい」といいたいのです。

 就学前、すなわち幼稚園や保育園に通園していた時代は、“子どもの一人歩き”ということはまずなかったはずです。親が付き添うか、通園バスによる送迎であったはずです。

 ところが小学校に入学すると、一人で登下校ということになります。まさに大きな飛躍といわねければなりません。子どもの力がそれに対応できるように、いちどに飛躍しているのなら問題はないのですが、子どもの力は幼稚園時代とほとんど変わらないわけです。

 子どもを交通事故から守るための対策は、だんだんと努力されてきていますが、まだまだ不十分といわなければなりません。いつわが子に交通事故がおそってくるかわかりません。

 文字や数の指導をする暇があったら、子どもと一緒に定められた通学路を実際に歩き、道順や注意しなければならない箇所を確認させたり、横断歩道の渡り方や道路歩行のルールなど、明確に指導するようにしていきたいものです。

 入学前の指導で、あんがい忘れられているのがこの問題ですから、必ずやっておくようにしましょう。

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 親の責任は子どもを”大過なく守る”ということではなくそのエネルギーを”最大限に発揮させる“ということであろうと思います。ここでは妊娠中から就学前まで子どもの発育のなりゆきを扱っています。この時期の子育てを終えてだいぶ経ちますが、むかしの子育てが現代の子育てに役立てばと思い、むかしの経験のまま記しています。参考になるものがありましたら応用して実践してみてください。

 



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